見慣れない黒いバッグ

Kaname.

終電で帰る事の多い僕はいつもの様に終電に乗り、その日は運良く座席に座る事が出来た。
クタクタに疲れている僕はスマホのアラームをかけ、目を閉じた。
隣に座っている男性が時折首を僕の方に倒してくるのを軽く遇らっていた記憶はあるものの、その他の記憶は特には無い。
かけていたアラームのバイブレーションが鳴る。
「ヴーン、ヴーン」
目的地到着3分前のアラームで僕は目を覚ました。
目を覚ますと直ぐに異変に気付く。
僕の足元には見慣れないポーターの黒いバッグ。
自分のバッグは抱えながら寝ているので無事だ。
忘れていったのだろうか。
この車両にはもう僕しか乗客が乗っていない。
この状況が妙に恐怖心を煽ってくる。
爆弾なのか。
犯罪に使った凶器が入っているのか。
いや、そのものが入っている可能性もある。
目的地まで後3分。

あらゆる可能性と想像が僕を蝕んで行く。

貴方ならこの黒いバッグどうしますか?

僕は吉本新喜劇のテーマ曲を口ずさみながらバッグを持ち上げそのまま駅員へ渡しました。

タイミング的にはこう。
パラララッパラ パラララッパラ パラララッパラ パ
チャーン(チャーンに合わせてバッグを持ち上げた)

音楽は偉大。

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